おとなもこどももすべての人に読んでほしい、自己肯定感を高める絵本『あなたが うまれた ひ』

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『あなたが うまれた ひ』
(作・絵:デブラ・フレイジャー 訳:井上 荒野 福音館書店)

この絵本は福音館書店の「かがくのほん」で、1999年に発売されています。
切り絵のようなスタイルの絵はカラフルでありながら落ち着いた色使いがされています。
私に子どもが生まれて初めて出会ったお話ですが、これは子供だけでなく、大人だって読んだほうがいい!と思える内容で、とても感銘をうけたのでご紹介します。

『あなたが うまれた ひ』はこんなお話

“あなたが うまれる まえの ひに、

どうぶつたちは うわさした。

「あのこが くるよ」と。

・・・・・

その すばらしい ニュースは せかいじゅうに つたわった。”

明るい朝も、あなたの足を地面にしっかりくっつけてくれる引力も、ぼうぼうと燃える太陽も、北の空の北極星の輝きも、森の木の作り出す空気もすべて、地球の何億年もの営みをあなたが生まれてくるために全部用意されたのだと、壮大でファンタジックに語りかけます。

そして、あなたが生まれてくる瞬間を、地球も、地球上で生まれた仲間たちも太陽も月もみんなどきどきしながら待っていた、と。

すべての準備が整い、その時が来て、あなたは暗いしんとした場所からすべりでた。

読み進めるにつれて次第に高まる新しい命の誕生への高揚感でまるで祝福の歌が聞こえてきそうな調子です。

「まわる ほし ちきゅうへ ようこそ!」

・・・・・

「みどりの ほし ちきゅうへ ようこそ!」

・・・・・

それから みんなは あなたを ぎゅうっと だきしめて、

あなたの かわいい みみに ささやいた。

「あなたが うまれて とっても うれしい!」

と、生まれて抱かれている「あなた」を、人種をこえたさまざまなひとがダンスを踊るように囲んで、空には太陽が、そして反対側には輝く星が、鳥やトナカイ、木々も花もみんなが集まって祝福しているかのような絵でこのものがたりは終わります。

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奇跡の星に生まれた奇跡の命だということ

壮大過ぎるお話のようで、私なんかのために地球が用意されていたなんてとても考えられないと思われるかもしれませんが、そんな自我はとりあえず放っておいて、そもそも、そもそもは地球の営みだって私たちの誕生だって、どちらもものすごいありえないほどの奇跡なんだ、ということなのです。

人は時に、自分が生まれた意味を考えたり、自分に生きている価値なんかないんじゃないかと悩んだりする生き物ですが、そんなこととは関係なく、もっともっと壮大なできごとのなかに放たれた「生命」なのだ、と感じずにはいられない絵本です。

何をなさなくても、ただ存在することだけでもこんなに祝福されて、大きな愛に包まれているのだということ。大切なのはそれは親や家族だけでなく、地球が、世界がそうやって迎えてくれているのだ、というところですね。

こういったことを小さいときから繰り返し耳にすることで、その人の自己肯定感は高まるのではないかと思うし、もし自信をなくしている人がいたら、自己卑下せずに子供の時のような素直な気持ちでこの話を感じてほしいです。

「かがくのほん」としてすばらしいアプローチ

これが「かがくのほん」であるゆえんは、巻末で、これらの地球の営みひとつひとつを「もっと知りたい人へ」と題して、科学的な説明を付け加えているところです。
このあたりは小学生向けで、動物たちの回遊や地球の自転、引力、雨や光合成などについて、また私たち人間の特徴として肌の色が違う理由などにも言及しています。

ファンタジーのような優しい語りから、科学的な話へのいざないはすばらしいです。

赤ちゃんから大人まで

4歳くらいの子から聞かせてあげられるお話で、自分で読める10歳の子でも、19歳、40歳、、、大人でもどの年齢の人であってもそれぞれの響き方をする絵本だと思います。
何度でも何度でも自分のために読み返したいし、子どもが大きくなってもそれぞれのステージで読んで聞かせたいお話です。
赤ちゃんにだってこんなにきれいな音を聴かせてあげたらとてもいいと思います。

私はいつも、最後の「あなたがうまれてとってもうれしい!」を子どもの耳元でささやくように読みます。ちょっとこそばゆそうにする子どもがかわいくて、自分で読めるようになるまであとどれだけ読んであげられるかな、なんて考えたりもして。

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